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日本歯科保存学会2023年度春季学術大会(第158回)

大会長挨拶

日本歯科保存学会2023年度春季学術大会(第158回)

 

大会長 古澤 成博
(東京歯科大学歯内療法学講座)

 新型コロナウイルス感染症の収束がままならない中、世界情勢が不安定となるなど、私達を取り巻く環境は、大きく変わってしまいました。数年前までは当たり前であったことが、当たり前ではなくなり、皆様方の生活も一変されたのではないかと推察いたします。地方学会に参加して勉強をし、日頃のストレスを発散させることなど、2度と出来ないかのような状況が続きましたが、ここに来てようやく僅かながら明るい日差しが見えてきました。
 この度、第158回日本歯科保存学会春季学術大会を、私ども東京歯科大学歯内療法学講座が担当させて頂くこととなり、現在鋭意準備を進めております。今回は、歯科大学が存在せず、尚且つ新幹線でもアクセスが難しい島根県を敢えて選びました。感染状況が不透明な中、岡山大会を参考にして現地開催とオンデマンド配信という2段構えで開催する予定で、出来るだけ多くの会員の皆様に参加して頂ける大会にしたいと考えております。
 今回のテーマは、「歯科保存のネクストステージ」です。言うまでもなく、歯科保存学分野の研究、臨床、教育は日進月歩しており、その現状と将来展望について種々の方面からアプローチをして頂こうと思っております。シンポジウムでは「革新的歯科医療技術開発戦略と実用化支援」と題して、それぞれの専門分野の先生方に御登壇いただき、最先端技術についてご講演をお願いする予定です。また、最近、ゲームの世界など若い世代で話題となっているメタバース、すなわち仮想空間を利用した歯科医療技術の実技トレーニングを行う新たな教育分野の取り組みや、歯科保存学分野の診療における最新情報をご紹介する予定です。さらに、皆様方が大変気になっていると思われる、「歯科保存専門医制度」についても、現在分かっている内容と今後の見通し等について、わかりやすく整理して解説して頂こうと考えております。
 御承知のように、出雲は「神話の国」です。観光地としても松江城をはじめ、東は足立美術館や伯耆大山、西には宍道湖や玉造温泉、出雲大社などの名所が点在しております。私達を取り巻く環境が厳しさを増している状況の中、心のリセットも必要です。どうぞ皆様、初夏の出雲で開催される春季大会に奮ってご参加頂き、学術的な刺激と同時に心にも新たなエネルギーをチャージしていただければ幸いです。